デュポンは2020年の業績予想を取り下げた。新型コロナウイルスの感染拡大を背景にして自動車、石油・ガスなどの分野の需要不振が背景。一方で安全・建築部門などが好調であったことから、一株当たり利益(EPS)をはじめとする第1四半期の見通しを上方修正した。第1四半期の業績は5月2日に発表する。

 デュポンのエドワード・ブリーンCEO(最高経営責任者)は3月11日のJPモルガン主催のカンファレンスで、20年の売上高が当初予想の215億~220億ドルから213億~218億ドルに下方修正していた。また、調整後EPSは3・7~3・9ドルの当初予想を維持する意向を示していた。

 事業環境の悪化にともない、いくつかの設備投資案件を延期したほか、自動車関連の需要停滞に対応して複数のプラントの操業を一時的に取りやめている。具体的な対象は明らかにしていない。

 一方で第1四半期は高密度ポリエチレン(PE)製不織布「タイベック」や水処理関連を手掛ける安全・建築部門、食品・飲料やエレクトロニクス関連などが好調であることから、0・7~0・74ドルの3月11日時点の調整後EPSの予想を0・82~0・84ドルに変更した。タイベックについては、防護服の生産量を大幅に増やす取り組みを続けている。

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