デンカは22日、米国で新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットを11月から発売すると発表した。提携先の米エクストラバヘルス(カリフォルニア州)を通じて販売する。今後、同国で他の診断キットの上市を目指すほか、アジアなど他の地域への供給も進めていく。

 日本で展開している新型コロナ抗原迅速診断キット「クイックナビ」についてエクストラバヘルスが10月12日に米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可(EUA)を取得した。米国市場では「SPERA COVID19 Ag Test」の製品名で販売する。

 エクストラバヘルスは、新型感染症の検査技術向け支援制度「RADx」の対象企業の1社で、この制度に基づく契約を3月に米当局と締結。同社が進めた臨床試験で十分な性能が確認されたことを受け、8月にEUA申請を行っていた。

 世界各国でデルタ株など変異株による新規感染者が継続して確認され、米国では介護・教育施設や自宅での検査体制の拡充、インフルエンザウイルスとの同時流行に備えた検査システムの研究開発が推奨されている。デンカは、エクストラバヘルスと連携し、診断キットと診断結果を読み取るデジタルプラットホームを組み合わせた使い勝手や検査精度向上を図り、一般医薬品(OTC)市場への導入を目指す。

 8月に日本で発売した新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを一つの装置で10分以内に同時判定する抗原迅速診断キットも米国投入を狙い、エクストラバヘルスと開発を進める。アジアなど他地域でも薬事申請手続きを踏まえ、供給に乗り出す方針。

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