米ノババックスは、新型コロナウイルスワクチンの開発進捗を発表した。米国では10月中に第3相臨床試験(P3)を始める予定だったが、製造のスケールアップが遅れているため、P3開始を約1カ月延期する。一方で、すでにP3を行っている英国では症例数を5割増やす。年明けにも速報結果が出て、世界各国で薬事申請手続きを始める予定。

 米国とメキシコでは10月中にP3を始める計画だった。目標症例数は約3万例。だが大量生産に向けたスケールアップに当初の見込みより時間がかかっている。P3の開始時期を11月末頃に変更した。同社は複数の企業と提携しながらコロナワクチンの量産体制を強化している。米国のP3では、富士フイルム子会社の米国工場(ノースカロライナ州モリスビル)を使うことになっている。

 英国で実施中のP3は、症例規模を当初計画の1万例から1万5000例に増やす。すでに約5500例の組み入れが完了した。11月中には全症例の登録を完了できると見ている。来年1~3月期中にも速報結果が明らかになり、承認申請を判断する。この試験結果を根拠に、英国以外の各国でも薬事申請に持ち込みたい考え。

 ノババックスは、きょう30日(現地時間)に開催される米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種に関する諮問委員会(ACIP)で、P2の結果などを報告する予定。

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