ハイケムは、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、中国国内で開発された新型コロナウイルス対策関連製品について、日本の需要家に提案を開始した。「完全自立型・殺菌ロボット」と「新型コロナウイルス抗体検査試薬キット」の2製品がある。ロボットは空港、病院、駅、一般ビルなどを対象に、試薬キットはまず試験研究用に紹介する。
 完全自立型・殺菌ロボットは、紫外線の発光、過酸化水素水や次亜塩素酸水などの消毒液をミスト状にして散布、空気のプラズマ処理の3つの機能によって、病院や空港などの室内空間やドアノブ、手すりなどの表面を無人で殺菌することができる。
 事前のプログラミングによって、自走しながら患者が退出したあとの病室や夜間の空港などの殺菌作業を行うことができる。内部にAI(人工知能)が搭載されており、人を検知すると自動で停止し電源が落ちるなど安全面も配慮している。人が消毒作業を行うと手間がかかるうえ作業者の安全性も配慮しなければならないが、ロボットなら短時間で安全に作業できる。1回の充電で5~6時間稼働する。
 すでに武漢中央病院などで導入されており、欧州の空港や病院、中東諸国の病院で導入が予定されている。
 新型コロナウイルス抗体検査試薬キットは、一般に広く普及しているラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイという試験方法を用いている。感染初期に生じるIgM抗体と遅れて生じるIgG抗体の2つを一つのキットで検出できる。抗体があるとバンドが赤く発色し陽性であることがわかる。血液のサンプル量は一滴でよく、血漿や血清でも同様に使える。2~10分で結果が判明。現在、日本で主流のPCR検査に比べ時間、コスト、作業スペースを削減でき検査効率を大幅に向上できる。中国において140例以上のサンプルで性能評価を行った結果、感度94%以上、特異性99%以上の高性能検査キットであることがわかった。すでにEUを含め世界20カ国で販売実績がある。日本ではまず試験研究用に販売を目指す。将来的には体外診断医薬品承認の取得も検討する。また、この中国メーカーはPCR検査用試薬も製造しており、ハイケムでは同試薬も販売している。

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