スマートフォンから得た位置情報で人の流れを把握し、そのビッグデータを解析することが様々な課題解決に役立つことが実証されてきている。新型コロナ禍においても感染拡大の防止に活用されている。それはさておき、先日、こんな荒唐無稽な空想を楽しんだ。「もし人類誕生の時から位置情報を収集していて、そのビッグデータが可視化されたなら…」▼ヒト(ホモ・サピエンス)は約20万年前に地球上に現れ、約6万年前にアフリカを出たとされる。その後世界中に広がり、今日の77億人に至るまで人口を増やし続けてきた。この6万年を通じ、科学技術や文化芸術を発展させて文明を築き、産業や貿易を発展させグローバルな市場を築いた。ちなみに、これまでに地球上に生まれたヒトの数は、2019年時点で1088億人だという(国際非営利団体のPRB推定)▼この約1000億人の移動データを、1年おき、10年おき、細かく見たかったら1カ月おき、1日おきなど一定のタームで世界地図上にグラフィカルな動画に表現してくれたら…それは時を忘れるほどに楽しいだろう▼とくに大陸から日本列島への渡来、アレキサンダー大王やモンゴル帝国の版図拡大、大航海時代などが見たい。とはいえ一番気になるのは、やはりコロナ禍終息後のヒトの移動状況である。(20・4・22)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る