ファイザー日本法人は14日、新型コロナウイルス感染症治療薬「PF―07321332/リトナビル錠」(通称・パクスロビド)を厚生労働省に製造販売承認申請したと発表した。軽症患者も服用しやすい2つ目の飲み薬になる。政府は来月中の実用化を目指しており、200万人分の治療薬供給を受けることで同社と合意している。

 パクスロビドは、コロナウイルスの増殖に関わる酵素を阻害する新規化合物「PF―07321332(ニルマトレビル)」と、同剤の血中濃度を維持するために投与する既存の抗ウイルス剤「リトナビル」低用量を併用投与する治療法。日本も参加したグローバル臨床試験などの結果を基に申請した。まず重症化リスクが高い外来患者を対象に承認される見込み。先ごろ特例承認された米メルクの「モルヌピラビル」に続く2つ目の飲み薬になる。

 申請の根拠とした臨床試験では、症状発現から3~5日以内に投与を始めた場合、入院・死亡リスクを9割近く低下させる結果を得た。1日2回、5日間連続して服用する治療法で評価した。また、非臨床の実験で新たな変異株「オミクロン株」にも有効な可能性を確認している。

 非臨床試験データなどは段階的に提出ずみで、特例承認制度を利用した迅速審査が行われる見込み。政府は来月の早い時期に承認審査を完了し、同月中に供給を始める考え。200万人分の供給契約について同社と基本合意しており、供給時期などを協議中。

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