ファイザーの新型コロナワクチン「コミナティ」の接種を受けた医療従事者の安全性調査で、接種後にコロナウイルスに感染した症例が約7000例中4例(約0・06%)の頻度で報告されたことが分かった。ただし接種から数日後に感染した症例も含まれており、効果を示すデータとしては不十分という。厚生労働省が23日に開催した予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で報告された。

 2月に始まった一部の医療従事者に対する先行接種では、接種後の症状などを各自が入力し、約2万例分の副反応情報を収集している。調査をとりまとめている順天堂大学医学部の伊藤澄信客員教授によると、接種後にコロナ感染が報告された症例が今月22日までに約7130例中4例あった。感染した時期は不明だが、少なくとも1例は接種から6日後に報告されたため、ワクチン接種による免疫が機能していなかった可能性が高い。変異株の感染か確認する情報は解析の対象外だったという。

 同日の部会では、今月12日から始まった高齢者の優先接種で、死亡例が1例出たことも報告された。102歳の女性で、気管支喘息、慢性心不全の基礎疾患があった。専門家の評価ではワクチンとの因果関係を判断するには情報が不十分とした。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る