米ファイザーと独ビオンテックは、新型コロナウイルスワクチンを追加接種する臨床試験で発症予防効果が95・6%だったと発表した。追加接種による抗体価の上昇は確認していたが、実際の発症予防効果としても高い有効性を回復できる可能性が初めて治験データで示された。

 米国などで16歳以上の1万人超を対象に実施した第3相臨床試験(P3)。ファイザー製コロナワクチンを2回接種ずみの人を対象に、1、2回目と同じ量を追加接種した。2回目からの間隔は約11カ月(中央値)。追加接種して約2カ月半(同)の間に発症した人は追加接種群が5例、プラセボ群が109例。予防効果を示す有効率は95・6%となった。有害事象は、報告されている安全性データと同様の内容だった。

 ランダム化されたプラセボ対照試験としては初めて追加接種による発症予防効果を示すデータが報告された。両社はこの結果を各国の薬事当局に提出する。日本では追加接種を承認申請中。米国では高齢者やハイリスク者に限定して認められているが、臨床データの追加により対象年齢が広がる可能性がある。

 ファイザー製は5~11歳の適応追加申請も控えている。米国では現地時間26日に開く米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会で、1、2回目接種の適応を審議する予定。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る