フジケミ・トレーディング(東京都千代田区、小野貴雄社長)は、新型コロナウイルス感染予防対策に関連して需要拡大が期待される各種製品を拡充する。自社開発したフェイスシールドのシリーズ第3弾として超低反射タイプをラインアップしたほか、抗ウイルスシートの取り扱いを始めた。海外でもタイで展開する伸縮性ポリウレタン素材マスクの販売が堅調で、新たにロシア、ベトナムでの販売を始めた。同社は引き続き加工機能を併せ持つ商社として市場での存在感を発揮し、ビジネス拡大につなげていく。

 フジケミ・トレーディングは、国内拠点のほかタイ、中国、ベトナムに現地法人を構え、グローバルに事業を展開する専門商社。合成樹脂、電線、電子材料などの化学製品の取り扱いを主力とし、一部の製品については加工も手がける。

 フェイスシールドについては、ベトナムのプラスチック加工拠点(ハイズン)でOA機器向けを中心としたフィルム、粘着テープの加工や搬送用トレー用の真空成形などを手がけるSSKベトナム(ハイズン)の打ち抜き工程で発生する高透明A-PET(非晶質ポリエチレンテレフタレート)の端材を利用した製品を自社開発し、昨年6月から販売を始めた。その後、第2弾として水戸加工センター(茨城県)の型抜機械を使用し、PETフィルムを組み立てるオリジナル仕様の製品をラインアップした。

 シリーズ第3弾として投入したのはメガネフレーム付きの組み立てタイプ。高透明で表情がクリアに見えるため、コミュニケーションが図りやすいうえ、乱反射やギラツキが少なく、疲労ストレス軽減・作業効率アップに効果があるという。

 抗ウイルスシートも昨年秋から取り扱いを始めた。大手フィルムメーカーの製品で、表面に付着した特定ウイルスを減少させる。粘着フィルムのため貼りやすい仕様となっており、ドアノブや電気スイッチ、テーブルなど広範分野での用途を見込む。フジケミ・トレーディングは水戸加工センターでスリット・断裁加工を施し、さまざまな形状で提供する。

 一方、タイで展開するのはアラクス(名古屋市中区)が製造する「PITTA MASK」(ピッタ・マスク)で、現地法人社員の提言により輸出販売をスタートした。機能性とファッション性を両立した商品の特徴が評価され、現地での取り扱い店舗はすでに500店に達する。コロナ渦でロシア、ベトナムではそれぞれ現地パートなのサイトを通じて販売している。

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