政府が提出した「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が国会審議に入った。2019年に策定されたプラスチック資源循環戦略の具体化を進めるための法案で、川上の製品設計から川下の回収・リサイクルまで包括的に資源循環体制の強化を図る▼製品設計についてはメーカーが努めるべき環境配慮設計の指針を策定するとともに、指針に適合した製品であることを認定する制度を設ける。廃棄物の削減、循環利用を促すような設計が求められることになる▼利用においては特定プラスチック使用製品(コンビニで提供される無償のカトラリーなど)の削減を目指すことが目玉。ここでも提供事業者が取り組むべき判断基準を策定する。レジ袋のように有料化も選択肢となるだろう▼回収・リサイクルではメーカーや小売事業者が自主回収・再資源化する計画を作成、主務大臣が認定すれば廃棄物処理法の許可が不要になる。自社の使用ずみ製品が回収しやすくなれば、水平リサイクルを含めて再生製品の拡大が期待される▼川上の製品設計ではモノマテリアル(単一素材)化が進むことが予想され、川下ではマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの重要性が高まることが必至。いずれにせよ化学産業が存在感を発揮して循環経済に向けた取り組みを牽引してほしい。(21・5・21)

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