KISCOのグループ企業であるプロテクティア(大阪府茨木市、田中伸幸社長)はこのほど、茶カテキン由来の抗ウイルス成分「CateProtect」(カテプロテクト)が、新型コロナウイルス(COVID19)やヒトβコロナウイルスに対し99%を超える抗ウイルス活性を示すことを明らかにした。今回の効果確認を機に、コロナウイルス対策の各種製品に向けカテプロテクトの提案を本格化していく。

 プロテクティアは、開發邦宏前大阪大学産業科学研究所特任准教授が開発したカテプロテクトを実用化するため2010年に設立されたベンチャー企業で、KISCOが経営に参画している。

 カテプロテクトはたんぱく質と結合するカテキンと、膜と結合する脂肪酸をハイブリッド化しており、これがウイルスの膜に刺さり最終的にウイルスを破壊する仕組み。天然カテキンの40倍以上という優れた作用を示し、黄色ブドウ球菌や大腸菌など30種類以上の細菌・真菌類に対する増殖抑制効果や、薬剤耐性菌に対する効果を確認している。

 また、天然由来成分をベースとした安全性の高さも特徴としており、原末における経口毒性や変異原性、皮膚刺激性、皮膚感作性は確認ずみ。

 今回実施したカテプロテクト技術の抗ウイルス効果の検証では、新型コロナウイルスを含む複数株のヒトコロナウイルスに対し99%以上の抗ウイルス活性を示しており、異なる変異株に対しても効果が期待できるとしている。

 カテプロテクトはすでに不織布マスクやマスクスプレー、消臭スプレー、加湿器添加剤など複数の企業の環境消毒製品群に採用されている。プロテクティアでは今回得られた効果の確認をもとに、強力かつ安全な抗ウイルス効果を求める需要家に対しカテプロテクト技術を提案する。

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