メディネットは、国立がん研究センターと新型コロナウイルス感染症の予防を目的としたSARS-CoV-2抗原パルス自家樹状細胞ワクチンの開発に向けた共同研究契約を締結した。同社によると、世界中で開発が進む新型コロナのワクチンは主に液性免疫によりSARS-CoV-2に対する中和抗体を産生させてウイルスの細胞への感染防御を目的としている。一方で最近の研究では、これらのワクチンによるSARS-CoV-2に対する抗体価が長期間保持されない可能性などが示唆されているという。

 メディネットの自家樹状細胞ワクチンはこうしたワクチンとは異なり、「体内でウイルスに感染した細胞そのものを殺傷、除去することを期待するもの」(同社)としている。対象は重症化しやすい高齢者や基礎疾患を持つ人などを想定。がん研が同ワクチンの基礎データの取得、メディネットが同ワクチンの製造工程の構築や非臨床安全性試験などを担う。2021年中ごろまでに、第1相臨床試験(治験)の開始を目指す。

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