米メルクは、新型コロナウイルス感染症治療薬候補「モルヌピラビル」の臨床試験の新たな解析結果を発表した。被験者の半数で解析した中間結果を10月に報告したが、全被験者の解析結果が出た。中間解析では重症化リスクがある軽症~中等症患者の入院・死亡リスクが約半減する結果だったが、追加解析では同30%減にとどまった。

 重症化のリスク因子がある軽度~中等症患者を対象に実施した第3相臨床試験で、全症例1433例を対象にした解析結果を発表した。約1カ月間で入院・死亡した患者の比率はモルヌピラビル群6・8%、プラセボ群9・7%で、モルヌピラビルが入院・死亡リスクを30%低減する結果となった。約半数の症例で解析した中間結果の同48%減から縮小した。中間解析時はモルヌピラビル群の入院・死亡比率は7・3%、プラセボ群は同14・1%だったが、追加解析ではプラセボ群の同比率が大幅に低下した。

 欧米では緊急使用許可などの審査中。申請時に提出したデータは中間解析の結果だった。米国では30日開催の米国食品医薬品局(FDA)の諮問委員会で審議予定。日本でも近く承認申請する。

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