米モデルナは生後6カ月~5歳向けに新型コロナワクチンの緊急使用許可(EUA)申請手続きを始めると発表した。成人向けの4分の1の量を2回接種する。臨床試験でオミクロン株を含む感染予防効果は40%前後と低かったが、成人向けと同等の免疫原性があることを確認した。発熱症状があったのは2割以下で、忍容性も良好と判断した。

 小児を対象にした臨床試験で、生後6カ月~5歳の約6700人を対象にした試験データの中間結果が出た。初回免疫として成人用量の4分の1の量を2回接種する用法・用量で実施した。成人と同等以上の中和抗体価を記録し、有効性の主要評価項目を達成した。ただ、感染自体の予防効果は生後6カ月~1歳が有効率44%、2~5歳は同38%と低かった。同社はオミクロン株の流行期に実施したことが要因と説明している。

 有害事象のほとんどは軽度~中等度の症状だった。38度C以上の発熱が起きた割合は生後6カ月~1歳が17%、2~5歳は14%と一般的な小児用ワクチンと同等の頻度。死亡例、心筋炎や心膜炎は報告されていない。

 この結果を受けて、向こう数週間以内に欧米などで申請手続きを始める。米国では安全性の懸念から保留されていた12~17歳に対する申請データの更新や、6~11歳のEUA申請にも着手する。

 乳幼児向けのコロナワクチンは、米ファイザーと独ビオンテックも開発しているが、3回接種の用法に変更して臨床試験を延長。2月にはEUA申請を始めたが、試験結果が出て申請手続きを終えるのは4月以降になる見通し。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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