米モデルナは、新型コロナウイルスワクチンの長期有効性や追加免疫ワクチンの試験データなどを発表した。2回目接種から6カ月後も発症予防効果は93%を維持。デルタ株に対する中和抗体価は低下するが、3回目の追加接種をすると2回目以上の抗体価を回復した。また、日本への供給では、来年は最大1億5000万回分を供給できるオプションになっていることも分かった。このほど開催した決算説明会で明らかにした。

 最初のコロナワクチンを承認申請する根拠となった第3相臨床試験(P3)の最終結果がまとまった。2回目接種から2週間~6カ月間の発症予防効果は93%で、昨年申請時の94%とほぼ同じ。4カ月以後の発症例のみを解析した有効率も92%と同等だった。

 変異株に対する中和抗体は、6カ月後は大幅に低下。デルタ株の場合、1カ月時点から約6分の1の抗体価(GMT)に減った。その後、同じワクチンの半量を追加接種すると抗体価は大幅に上昇し、1カ月時点を上回る数値になった。

 この追加接種をブースター・ワクチンとしてまず実用化する。特定の変異株や複数のウイルス株に対応したワクチン4種類もブースターとして開発を始めた。さらに、一般的な医療用冷蔵庫で保管できる新規ワクチンの臨床試験も開始した。ワクチンの抗原にする領域を最初のワクチンより小さくした。

 来年、日本に最大1億5000万回分が供給される可能性があることも分かった。来年分として5000万回分の供給契約を先ごろ発表したが、オプションとして1億回分追加できる契約になっている。来年分には開発中のブースターワクチンが含まれる可能性が高い。

 グローバル全体では来年、20億~30億回分の供給を目指す。今年の供給量8億~10億回分で、年内に追加の供給契約は結ばない意向。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

HP独自・先行の最新記事もっと見る