若者がスポーツ界で躍動している。白血病を乗り越えた競泳の池江璃花子選手が東京五輪代表の切符をつかんだ。昨年夏に練習を再開した際、東京五輪はあきらめ、2024年のパリ五輪を目指すと話していたのがウソのような脅威の回復だ。米オーガスタ女子アマチュアゴルフ選手権で、日本人初の優勝を飾った梶谷翼選手はまだ高校生。中央競馬では先月、古川菜穂騎手と永島まなみ騎手という2人の女性ジョッキーがデビューし早くも勝利している▼女性ばかりではない。甲子園で活躍し2年前にヤクルトに入団、先日プロ初勝利を飾った奥川恭伸選手や、甲子園への出場経験はないが、160キロの速球を武器とし、ゴールデンウィークにもプロ初登板が見込まれるロッテの佐々木朗希選手など、期待の若者が続々と現われている▼先日、住友化学の入社式を取材した。岩田圭一社長は新入社員に「私が入社した39年前、当時の社長の話を今も忘れない。『競争相手は隣にいる同僚ではない。世界の若者だ。世界を相手に戦っていることを常に忘れないでほしい』というものだ」と話した▼スポーツであろうとビジネスであろうと易しい世界などない。厳しい世界を勝ち残るため、ライバルと切磋琢磨し、限界を越えようとする若者が化学業界にも数多く現われることを願う。(21・4・12)

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