米リジェネロン・ファーマシューティカルズと仏サノフィは、新型コロナウイルス感染症治療薬として検討している「ケブザラ」(一般名・サリルマブ)について、米国での第3相臨床試験を中止したと発表した。十分な有効性を確認できなかったため。米国以外の第3相試験は継続する。

 同試験は人工呼吸器などを使用しているような極めて重症(クリティカル)な症例と、人工呼吸器などを使っていない重症(シビア)例を対象に開始されたが、シビア群には有効性が見込めないとしてクリティカル群に絞って試験が続けられてきた。だがクリティカル群についてもプラセボ比較で有意差のある有効性が確認できなかった。

 米国以外の第3相試験は継続する。独立データモニタリング委員会から継続が認められた。日本も参加しており、7~9月期に結果が判明する予定。

 同剤は新型コロナで重い肺炎を起こす免疫異常(サイトカインストーム)に対する有効性が期待されていた。中国の臨床研究で、同じ作用機序を持つ中外製薬の「アクテムラ」が奏効したと報告されたことを受け、リジェネロンらも開発に乗り出した。

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