世の中は今、当たり前にリモート(オンライン、ウェブ)会議が開かれている。有用性は以前から指摘されていたがなかなか普及しなかったものが、コロナ禍で一気に市民権を得た。もはや、オンライン会議なくして、効率的なビジネスはあり得ないとさえ言える▼それにしても、オンライン会議は疲れる。ほかにもデメリットはあるだろうが、とくに「疲れる」が自分にとってはいまもっとも気になるデメリットである。どうして、対面の会議とは違う疲労があるのか▼ビデオ会議が疲れる理由を4つほど挙げているレポートによると、非言語コミュニケーションがないこと、初期設定で自分の顔が表示される状態であること、他の人が自分のことをじっと見つめているのではないかと感じる-ことなどだそうだ▼そういえばリアルの会議では自分の顔など見ないし、他人が自分を見ているかどうかは顔の向きで分かる。自分が自分に対して、そして他人に対して、さらされ続けることが疲労感の大きな理由なのだろう。だからといって自分の顔を非表示にすると、参加意識が薄れたり、なんで表示しないのかといろいろ勘ぐられそうな気がしたりする▼とはいえこのテクノストレスも、研究が進んでいずれ有効な対策が打ち出されてくるだろう。今しばしの辛抱、そうあってほしい。(21・5・17)

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