ロシュ・ダイアグノスティックス(東京都港区)は、新型コロナウイルスの感染有無の判定とウイルス量の測定を同時に行う研究用試薬を発売した。大手検査センターや大病院の検査室などに設置されている同社のリアルタイムPCR法の全自動遺伝子検査装置で測定できる。定性と定量の同時検査薬は世界で初めてとしており、今後、体外診断用医薬品として承認申請を目指す。

 従来のコロナ検査薬も感染有無の判定とともに、ウイルス量を参考値として測定できたが、装置や試薬ごとにばらつきがあり、精度が高くなかった。同社が今回発売した研究用試薬はウイルス量を世界保健機関(WHO)で統一されている国際単位(IU/ml)として確認できるようにした。

 同社の全自動遺伝子検査装置「コバス6800システム」「同8800システム」で測定し、定性検査で陽性となった検体は定量検査でウイルス量を国際単位で表示する。入院中や投薬中の患者のより詳細な経過観察に役立ち、まずは最適な医療措置の評価や研究に使われる見通し。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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