上海のロックダウンにより上海港での荷さばき作業が遅れ、多数の船が滞船している。商船会社によると100隻以上が滞船しているという。ただし、日中間で配船しているコンテナ船は遅れやバース空待ちがあるものの運航しているという物流業者もいる。

 危険品とリーファーコンテナは上海港や大倉港などでは引き受け不可だが、当局の方針がすぐに変更になるため先が読めない。また、上海港からの出港の遅れにより次の寄港地到着も遅れる。遠洋航路のように航海中にスピードを上げて挽回できないので、次々と寄港地にしわ寄せが来る。

 上海港を迂回して大連、青島、大倉など他の港から荷積みするケースもすでに混雑しているもよう。ある物流業者は、近郊の太倉港や寧波港に切り替え輸送をしていたが現在はそれもままならず、通関、通関従事者、港湾従事者も出勤できない状態で機能が止まっているという。これら迂回先の港も危険品およびリーファーコンテナは受け入れ不可となっている可能性が高い。

 正常化の見通しはまったく立たない。現地の日系企業によると、都市封鎖が一斉に解除されたとしても港湾入場は混乱を防ぐため通行証管理するといわれているそうだ。別の物流業者は、ロックダウン解除もしくは政府の貿易政策の緩和でトラック手配がスムーズになることが正常に戻るポイントと考えるが、いつごろになるか不明だという。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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