きょうは元々スポーツの日。今年は東京オリンピック開会式の7月23日に移動となり、今月は祝日がない。とはいえ、今年の祝日・振替休日は16日と、世界でもトップレベルにある。それでも欧米人は「休むために働く」、日本人は「働くために休む」という見方が根強い▼仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスという考え方は決して新しいものではない。しかし実際は人口減少、少子高齢化が進んでいるにもかかわらず、多様な人材が就労できる制度や社会システムになっていない。バランスを調和させようと努力する個人や企業は確実に増えている。国はもっと後押しする制度や枠組み、環境整備が必要であろう▼記者会見で、ある社長は「日本は地盤沈下している」と語った。少子高齢化、2050年のカーボンニュートラル実現、国際競争激化など日本が乗り越えなければならない課題は山積みだ。少子化の流れを変え、人口が減少するなか多様な人材が仕事に就けるようにし、日本を持続的に成長できる国に生まれ変わらせる覚悟が求められる▼大変革時代の今、あっという間に時間は流れる。我々に残された時間はあまりない。日本に生まれて良かったと次の世代に言ってもらうには、何をしなければならないのか。本質を議論し決断し実行する必要がある。(21・10・11)

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