三井化学の成長3領域の一角を担うヘルスケア事業は2020年度、新型コロナウイルスの影響を一時受けたものの、主軸のビジョンケア材料などが回復・堅調に推移し、コア営業利益は前年度比44%増の190億円を見込む。課題の新事業創出はコロナに阻まれ、マーケティングや評価など遅れはあるが、田中久義常務執行役員・ヘルスケア事業本部長は「同事業を三井化学グループの屋台骨にするため、M&A(合併・買収)を含め21年度に事業拡大策を練る」と鼻息は荒い。

◎…コロナの影響は。

 「昨年4~5月、ビジョンケア材料と歯科材料の売り上げが大きく落ち込む一方、不織布は特需で伸び、明暗がはっきり分かれた。ビジョンケア材料と歯科材料は第2四半期(7~9月)以降、回復が鮮明だ。とくにビジョンケア材料は、戦略的に事業拡大の布石を打っている。昨年10月にはグループ会社を通じ、高機能コーティング材を手がける独COTECを買収した。向こう3年でコーティング材、特定波長カットなどの高機能材、医療用アイウェア(眼鏡)向けなど新製品群を戦列化していく」

◎…デファクトスタンダードとなっている高屈折率メガネレンズモノマー「MRシリーズ」の需要は。続きは本紙で

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