事業を取り巻く環境が大きく変わり、不確実性も高い時代の経営は、慎重かつ大胆な舵取りが求められる。これからを担うリーダーはどのような信念を持って経営に臨むべきか。社長在任の10年間で社内の変革や外部とのアライアンスを積極的に進めてきた三洋化成の安藤孝夫取締役会長へのインタビューから、時代の荒波を生き抜くヒントを考える。

■…10年間の社長在任中、会社を大胆に変革してきました。
 「少子高齢化で国内市場が縮小するなかでは、高度成長期のように良いモノを作るだけでは売れず、イノベーションの重要性がより高まる。だが古い体質が残る会社では動きが遅くなってしまう。このままでは時代に取り残されかねないと、会社を徹底的に変えるつもりでやってきた」
 「コアタイムなしのフレックス勤務制、時間単位で有給休暇が取得できる制度などの働き方改革や、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)などを推進してきた。その理由は、多様性こそがイノベーションの源泉になるからだ」
 「会議ばかりしても人は育たない。無駄な会議や資料づくりも見直した。服装の自由化は若い社員に会社の変化を感じ取ってもらう意味合いもあった。規制や規則を撤廃、緩和することは社内に猛反発もあったが、私は『とりあえずやってみる主義』で、だめなら元に戻せばいい。だが実際に問題が起きて元に戻したケースはほぼない。多様な人材が多様な働き方をできて初めて会社の生産性が上がる」

 <高付加価値を重視>
■…どのような基準を持って約3000品種を手がける三洋化成の経営を行ってきたのでしょうか。続きは本紙で

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