三洋貿易はこのほど、ライフサイエンス市場向けに米Twist Biosciende社と販売代理店契約を締結した。日本国内市場向けに、合成DNA関連商材を取り扱う。なかでも「PCR検査など新型コロナウイルスの検査・診断法について、その研究開発(R&D)で必要な検出用合成RNAのポジティブ・コントロール向けサンプル提供を有望視」(同社)する。インド株を含んだ各種変異株にも対応しており、科学機器事業部を主軸に取り扱う。

 三洋貿易の科学機器事業部は、R&D向け試験機器で新規性・先進性に強みを持つ輸入商材を展開する。またM&A(合併・買収)や子会社再編を通じ医療機器分野にも領域を拡大しており、市場性の高い分野に向けた展開も進めている。

 このほど取り扱いを開始したのは、Twist社の感染症関連ツールや人工遺伝子、Oligo Pools、変異体遺伝子ライブラリ。Twist社は、DNA/RNAプラットフォーム技術を使用し、オリゴ配列を合成して集積回路状に大量のDNA合成を行う革新的技術を強みとする。高品質な合成DNAの迅速な提供を行い、ゲノミクスツールの生産に実績を持つ。

 とくに期待するのは、新型コロナウイルス検出用の完全合成RNAアプリケーション。ネガティブ・コントロールではなく、シグナルで検出するポジティブ・コントロールに対応する。次世代シーケンス(NGS)で配列が検証され品質と安全性に強みを持ち、ウイルスゲノム塩基の99・9%以上をカバーする。

 出現が増加している変異株にも対応し、インドで特定されたデルタ変異株も対象とする。同変異株検出用のポジティブコントロールも近日中に提供を開始する予定で、三洋貿易では全18種の変異株に対応する強みを生かし提案する。同商材の取り扱いにあわせ超低温倉庫も確保し、需要が高まる新型コロナウイルス診断検査のR&DにおけるツールとしてPCR検査キットメーカーなどへも提案を行う。

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