三菱ガス化学は29日、2050年に温暖化ガス(GHG)の排出量を実質ゼロに抑える「カーボンニュートラル」を目指すと発表した。同社がGHG排出削減の長期目標を設定するのは今回が初めて。具体的なロードマップ(行程表)も策定し、目標達成にかける意思を示した。

 50年までに事業活動で消費する電力について、地熱発電を中心とする再生可能エネルギーに全面的に切り替える方針だ。同社は合弁事業により地熱発電所2カ所を運営し、24年には3カ所目の営業運転が始まる予定だ。その次の立地も検討するなど、再エネの導入を加速させる。併せて、1基ある重油ボイラーの燃料転換も進める。

 二酸化炭素(CO2)を回収・利用・貯留する「CCUS」技術の開発も積極的に進める。すでにCO2を原料にメタノールやポリカーボネート樹脂中間原料を作る技術を他社と協働で取り組んでおり、こうしたイノベーションを実装することで目標達成につなげる。

 カーボンニュートラルに向けたマイルストーンとして、23年にGHGの排出量を13年度(年111万トン)比で28%削減、30年に同36%削減する目標を設定した。

カーボンニュートラル達成ロードマップ

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