社会課題の解決策を見いだそうとグローバル競争は激しさを増すが、高齢化・少子化の進む日本の労働市場は縮む。化学のみならず多くの日本企業が危機感を強める。そのなかで三菱ケミカルは人事制度改革に光明を見いだす。所管する中田るみ子取締役常務執行役員は、多様な個人を惹き付け会社と互いに生かし合う関係を築くことが成長を生むとみる。働き手や会社のあり方についてヒントを探る。

■…ジョブ型等級制度の導入をはじめ人事制度改革を進めています。どのような将来を想定し、手を打っているのでしょうか。
 「グローバル化やデジタル化が進み、言葉が翻訳されて国境の壁がなくなっていっても、言葉の裏にある歴史や宗教、文化の壁はなかなか越えられない。国内でも世代間の差や、健康寿命が伸び、みんな元気で長く働けるようになると、経験や育った環境の差が大きく表れる。そうしたとき、お互いを理解して多様性を受け入れることが、もっともっと必要になっていく」

 「長期雇用慣行は変わるだろうし、もしかしたら、企業の寿命は短くなるかもしれない。私たちは、競争にしっかり打ち勝ち、生き残っていきたいけれども、いろんな産業が起きたり、他の産業に取って代わられる可能性もある」

 「指示待ちの人材だけではイノベーションは生まれないし、同質の人材ばかりでは新たな発想は生まれない。多様な人材に集まってもらわないと会社の将来は本当に危ない。そのためには魅力ある人事制度じゃなきゃいけない。将来、会社の中核を担う30代を中心に考え、導入に至ったのがジョブ型等級制度であり、主体的なキャリア形成を築いてもらうために自ら手を挙げて働く場を選ぶ公募制度だ」

■…雇用の流動性が高まると、働き方や会社はどう変わるのでしょうか。続きは本紙で

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