世界経済低迷にコロナ禍が追い打ちをかけ、ヘルスケアの特殊要因も重なり、2020年度は最終赤字を見込む三菱ケミカルホールディングス。時価総額は一時1兆円を割り込むなど、国内最大の化学メーカーの足元が揺らいでいる。巨大戦艦の舵取りを託されたのが、欧米企業のトップを歴任したベルギー人のジョンマーク・ギルソン氏だ。3月中旬に来日し、4月1日に社長に就任したギルソン氏に話を聞いた。

▽…新社長のミッションは何ですか。

 「グループ会社を含め今後20~30年間の明るい未来を作り上げることだ。世界はカーボンニュートラルへ向かい、化学業界にとって最大の課題となる。課題を乗り越えるため、当社グループは集中し団結する必要がある。グループ会社がバラバラでは、この難局は乗り越えられない。100%のチームワークをつくり上げ、サバイバル競争を勝ち抜くため、できることは何でもする決意だ。そして株主、従業員、顧客、当局の4者を満足させられなければ、このミッションは達成できないと考えている」

 <合理化は短期集中で>

▽…M&A(合併・買収)で企業規模は拡大しましたが、利益面や財務面に課題があります。どのくらい時間をかけて合理化しますか。続きは本紙で

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