三菱ケミカルホールディングス(HD)がデジタルトランスフォーメーション(DX)を一段高いステージに引き上げる。三菱ケミカル、田辺三菱製薬などの事業会社と連携したこれまでの取り組みや成果を踏まえ、現業のDXの深掘り、新たなビジネスモデルの創出という「両利きのDX」を進める。浦本直彦最高デジタル責任者(CDO)に今後のDX戦略を聞く。

◇…三菱ケミカルHDグループのDXの取り組み状況をうかがいます。
 「2017年に専門組織を設け、事業会社と連携してDXを進めてきた。まずは現場の方々が活用できるDXの方法論、ツールが必要との考えに立ち、機械学習や量子コンピューティングなどの技術革新がグループ企業に与える影響などをまとめた『デジタルテクノロジーアウトルック』、デジタル技術によるビジネスモデルの変革事例を類型化した『デジタルプレイブック』などを作成してきた」
 「ほかにも、DX人材育成の教育プログラム『デジタルユニバーシティ』、機械学習のプロジェクトで必要な検討項目を整理した『機械学習プロジェクトキャンパス』、DXの評価指標『デジタル成熟度インデックス』なども導入した。専門技術の蓄積やグループ全体への横通しに向けて『テキストマイニング』『マテリアルズインフォマティクス(MI)』『数理最適化』『画像解析』の4つのセンターオブエクセレンス(CoE)を立ち上げ、着実に成果を挙げている。機械学習のコンテストのような草の根的な取り組みも行ってきた」
 「現在では、三菱ケミカル、田辺三菱製薬などの事業会社もDXの専門組織を持つようになった。こうした中で、持ち株会社のDX室の役割も変わりつつある。今後は組織や会社横断のテーマなど難易度の高い課題にチャレンジするかたちになる」

◇…2021年2月には「DXグランドデザイン」を発表しました。続きは本紙で

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