三菱商事は17日、中西勝也常務執行役員が来年4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。垣内威彦社長は代表権のある会長に就く。同社はカーボンニュートラルに資するエネルギー・トランスフォーメーションに注力し、2030年度までに総額2兆円を投資する計画。電力部門のトップである中西氏を社長に据え、再生可能エネルギー事業などの強化を急ぐ。

 小林健会長は相談役に退く。6月開催予定の株主総会を経て中西氏は代表取締役社長に、垣内氏は代表権のない会長に就任する。

 中西氏は発電設備の輸出や電力インフラ事業などに長く携わり、19年に電力ソリューショングループのトップに就任。昨年には再エネ由来の電力販売を手がける蘭エネコの買収を手がけた。

 三菱商事は30年度までに再エネ関連事業に約1兆円を投資する方針で、太陽光などの発電事業を推進してきた中西氏の手腕を活かし、再エネや水素・アンモニアなど次世代エネルギー事業の基盤強化を図る。

 〔中西 勝也氏=なかにし・かつや〕1985年東大教養学部卒業、三菱商事入社。16年執行役員、19年4月常務執行役員、電力ソリューショングループCEO。大阪府出身。61歳。

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