山梨大学の原本英司教授、北海道大学の北島正章助教らの研究グループは下水および河川水中からの新型コロナウイルス存在実態を調査、塩素消毒前の下水処理水から新型コロナウイルスRNAを検出することに成功した。感染者の糞便中には多くの割合でウイルスが含まれることが判明しており、下水調査によって流行状況の把握が可能になると推測される。第2波以降の感染流行地域把握に役立つとしている。

 3月17日から5月7日にかけて山梨県内で下水処理場の流入水と塩素消毒前の処理水を採取した。2種類のウイルス濃縮法と6種類のPCR法を組み合わせ、検証を行った。結果、陰電荷膜破砕型濃縮法とN-Sarbeco型リアルタイムPCR法の組み合わせで新型コロナウイルスの陽性反応が得られた。そのほか11種類の組み合わせでは陽性反応が得られなかった。

 陽性反応が得られたサンプルは県内での感染流行がピークを迎えていたときのものであり、同調査が流行度の一つの指標として活用できると見込まれる。

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