ポストでもアフターでもなくウイズ・コロナ。ニューノーマルつまりは「新しい日常」がどうなるか。さまざまな視点から論じられるなか、社会経済システムのあらゆる分野が変容すること、元の姿には戻らないことはどの論者にも共通する▼タラレバめいた話だがもしコロナ禍がなければプラスチック、とくに使い捨て製品の使用削減が世界中でもっと話題になっていたはずだ。もちろん、海洋プラごみ問題は引き続き重要課題。削減対策は不可欠ながら、状況は少し変化している▼品不足が続く不織布製のマスクや医療ガウンなどはプラ製だが、ワンウエイが必要とされる用途だ。コンビニのレジなどに設置された透明シートやフィルム、フェイスシールドなど、機能性、利便性に優れるプラ製品がコロナ対策の最前線で活用される▼使い捨て製品=悪という図式や、プラスチックはとにかく減らせという一元論は通用しにくくなるだろう。機能と役割を評価し適材適所で素材を使うという、本来あるべき形に落ち着くのが望ましい▼欧米でのマスク着用をはじめプラスチックの新しい使い方が増えれば廃棄物対策は世界規模で重要性を増す。分別回収や再資源化・適正処理の仕組みとノウハウで日本は諸外国に先んじる。これをさらに深化させ、世界の資源循環戦略をリードしたい。(20・6・1)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る