【上海支局】中国の国有企業でIT大手である中国電子信息産業集団(CEC)傘下のエンジニアリング会社が国内初となるバイオセーフティーレベル3(P3)に対応したバイオ医薬品向け製造棟を完工した。新型コロナウイルスのワクチンを年間1億本生産できるという。すでに顧客に引き渡しており、国を挙げて進めるワクチン開発を後押しする。

 中国電子系統工程第四建設有限公司が建設した。新型コロナのワクチン生産設備としては世界最大規模。中国ではすでにP2試験が始まっており、今後のP3試験を想定したものとなる。

 新型コロナの感染拡大後、同社には同様の生産設備建設の引き合いが急増しているという。今回は2月6日に建設に着手し、4月15日に顧客に引き渡していた。

 習近平国家主席は共産党の重要会議などでワクチン開発に全力を挙げるよう指示している。国内では複数の研究所が開発を急いでおり、中国疾病予防センター(CDC)は早ければ2021年初めにもワクチンが完成すると見込む。

 中国内に国有の大手エンジ会社は多数あるが、中国電子系統工程第四建設はファインケミカルや半導体のクリーンルームなど小ロット、高付加価値の生産設備を得意とするのが特徴。医薬品事業にも力を注ぎ、国内の医薬企業トップ20の市場シェアはおよそ5割に上るという。

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