スイス・ロシュは29日、中外製薬が創製した抗体医薬「アクテムラ」を新型コロナウイルス感染症治療薬として開発する臨床試験で、主要評価項目を達成しなかったと発表した。重症患者を対象に欧米で行った試験で、肺炎症状や死亡率を有意に改善するデータが得られなかった。同剤は関節リウマチ治療薬として使われているが、新型コロナで重い肺炎を起こす「サイトカインストーム」に対する有効性も期待されていた。

 ロシュが重症入院患者450例を対象に行った第3相臨床試験。主要評価項目に設定した症状改善度では、プラセボと比較した統計学的な有意差が認められなかった。死亡率もプラセボ群と同等。退院までの期間はプラセボ群より短かった。

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