中外製薬は10日、新型コロナウイルス感染症に対する抗体カクテル療法について政府と供給合意したと発表した。中外製薬は日本人の安全性や薬物動態などを検討する第1相臨床試験(P1)を今年3月に開始しており、日本で薬事承認された場合、2021年分の供給を政府が確保する。中外は年内に承認申請する計画。

 中外が政府と供給合意したのは、「カシリビマブ」「イムデビマブ」と呼ぶ2つの中和抗体を使うカクテル療法。これらの中和抗体はコロナ回復患者から同定。新型コロナのスパイクたんぱく質に複数の中和抗体を結合させるのは変異に対応する狙いがある。ウイルスの感染や増殖などを阻止する働きがある。

 米リジェネロン社が創製し、中外製薬の親会社ロシュ(スイス)が製造・開発・販売を共同で行う契約を昨年結んでいる。中外はロシュや米社が製造した抗体医薬を日本政府に供給するもよう。米国ではすでに緊急使用許可(EUA)に指定され、欧州でも緊急使用が推奨されている。治験では予防効果も確認されている。

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