中外製薬は10日、戦略提携先であるスイス・ロシュから新型コロナウイルス感染症に対する抗体カクテル療法を導入すると発表した。これにともない、中外は日本で同療法を独占的に開発・販売する権利を獲得した。契約一時金など経済的条件は明らかにしていない。日本での治験実施スケジュールなど詳細は「現在、検討中」(中外)だが、新たな治療方法として開発を急ぐ。

 「カシリビマブ」「イムデビマブ」という2つのウイルス中和抗体を組み合わせることで、治療・予防へと結びつけようとするのが抗体カクテル療法。2種類の抗体を同時に投与することで、新型コロナウイルスへの中和活性を示すとしている。米リジェネロン・ファーマシューティカルズが創製した。

 ロシュはリジェネロンとの間でライセンス契約を結び、米国以外の製造・販売を引き受けている。日本の場合、ロシュと提携している中外が導入に際しての第一選択権を持っている。

 11月には米食品医薬品局(FDA)から、入院していない軽度から中等度の症状を呈する高リスク患者を対象とした緊急使用許可(EUA)を取得している。また、海外では後期段階にある複数の臨床試験が進行中だ。トランプ米大統領の感染時にも投与されたという。

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