人類は61年前、初めて宇宙を飛行した。旧ソ連のガガーリンは「地球は青かった」という言葉を残している。その4年前、旧ソ連は世界初の人工衛星打ち上げに成功している。旧ソ連と熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた米国はNASAを設立し、人類初の月面着陸を成し遂げる▼それから半世紀以上が過ぎた今、地球の周りには8000を超える人工衛星が飛行しているという。スマホ、カーナビ、ゴルフ場など日常生活で恩恵を受けているGPSは、人工衛星から発信される電波を端末が受信し、位置・距離・時間などを計算して現在位置を測位している▼宇宙について人類が知り得ていることは極わずか。いぜん謎に満ちた宇宙を探査するべく、日本のJAXAは13年ぶりに宇宙飛行士を募集した。理系大卒などの条件を取り払い、学歴不問、年齢制限なしとしたこともあって、応募総数は前回の4倍強の4100人以上に達した▼選抜され候補者となった後も、さまざまな訓練が待ち受ける。航空機操縦やジェット機による無重力体感はもちろんサバイバル訓練など、募集要項には「身体的にも厳しい項目が含まれます」と明記されている。それでも、60代以上が70人近く応募しているから頼もしい。宇宙から地球を見てみたい。飛行士でなくとも行ける時代はいつ来るのか。(22・5・30)

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