欧州医薬品審査庁(EMA)は、仏サノフィが英グラクソ・スミスクライン(GSK)と開発している新型コロナウイルスワクチンについて、販売承認申請に先駆けた「ローリング審査」を始めたと発表した。第3相臨床試験(P3)はまだ進行中だが、並行して承認審査を進めることで早期承認を可能にする。

 ローリング審査は正式な申請前から臨床試験などのデータを審査し、申請後は速やかに審査手続きを完了する制度。EMAはサノフィが開発中のコロナワクチンについて、これまでの非臨床・臨床試験でウイルスへの中和抗体の産生が認められていることから、事前審査を開始できると判断した。

 サノフィは全世界で3万5000人以上を登録し、同ワクチンの臨床的有効性などを検証するP3を5月末から実施している。日本も今月、症例登録を始めた。今秋にも結果が出て、10~12月期に緊急使用許可などの承認取得を目指している。英国、カナダ、世界保健機関(WHO)などでも事前審査申請を近く行う予定。

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