住友化学は、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に貢献するイノベーション開発とその社会実装に挑む。すでにイノベーション開発では企業や大学と複数のプロジェクトを進めているが、それらをいかに社会実装するかが課題であり、化学業界や異業種などを巻き込んだ取り組みが欠かせない。このため2月、社会実装戦略を策定する新組織を発足させ、22年度から始動する次期中期計画に織り込んで実行に移す計画だ。新組織「CN戦略審議会」とその事務局である「CN戦略クロスファンクショナルチーム」の事務局長を務める辻純平技術・研究企画部長に話を聞いた。

 ▼新組織を立ち上げた背景は。

 「地球温暖化は世界の最大課題であり、日本を含め各国がCNを宣言している。日本では70社以上が宣言しているようだが、多くのエネルギーを消費し製品の加工でもエネルギーを消費する化学メーカーにとって重たい課題だ。当社は排出する二酸化炭素(CO2)の70%以上が使用するエネルギーに紐づいている。このまま製造を続けていいのか、いけないとしたら何をどう変えなければいけないのか真剣に議論するなかで、『化学をベースに、責務を果たしつつ貢献しよう』との結論にいたった」

 ▼責務と貢献とは。続きは本紙で

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

インタビューの最新記事もっと見る