ブランドは価値を生む。多くの信用が積み重なって信頼されるようになり、ブランドが形成され価値を生み出す。信用と信頼は微妙に違うらしい。信用は過去の実績や成果に対する評価、信頼は未来の行動に対する期待を表すようだ▼いくら信用を築いても、信頼を裏切ればブランドは崩壊する。そんな事例は政治、経済、社会、芸能、スポーツなどあらゆる世界に溢れている。人は信頼できる相手に対しては惜しみなく協力したり、高い対価を喜んで払ったりするものだ。しかし誤魔化したり、隠したり、約束を守らない信頼を裏切る行為は、過去の実績や成果をも吹き飛ばしてしまう。ブランドは構築し高めるのは難しいが、失うのは一瞬だ▼7月に入り、新入社員は学生気分が抜け、社会人としての意識が芽生え始めたことだろう。わが編集局でも4人の新人記者が研修中だ。積水化学工業の加藤社長の入社式の言葉を引用するが、「約束を守る」ことに徹底してこだわってほしい。「あの記者は信頼できる」という評価が結果を左右する。信用を積み重ねることで自身の信頼が高まり、ひいては会社のブランドが高まる▼三井化学の橋本社長のモットー「逃げるな、諦めるな、誤魔化すな」も信頼とブランドにつながる言葉だ。新人には化学業界を代表する記者に成長してほしい。(20・7・13)

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