今日から10月。新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が解除された。行動自粛に加えてワクチン接種が進んだ効果が大きいとみられる。行動制限の緩和によって経済活動の正常化に期待する向きは多いだろう▼いわゆるリベンジ消費の盛り上がりが見込まれる一方、さまざまなモノ・サービスの値上げが水を差す懸念が指摘されている。家庭用バターやマーガリン、電力・ガス料金の値上げはいずれも原料・燃料価格の上昇が要因となっている。国による小麦の売り渡し価格は19%の大幅な値上げとなる▼化学製品も相次いで値上げが打ち出されている。塩酸は5年ぶりの値上げ。幅広い用途に使われる基礎化学品だが、安定的な供給を維持していくためには当然ながら相応のコストがかかる▼どの業界でもサプライチェーンの中で上流側の値上げをどのように転嫁していくかが課題となっている。例えば包装資材業界。フィルムの値上げを受けて印刷やラミネートなどを手がけるコンバーター各社は加工賃の値上げに苦慮しているようだ。それぞれに言い分はあるだけに悩ましいところ▼競馬の予想で愛読しているスポーツ紙も値上げした。一昨年に続くものだが、新聞社の経営が苦しいのはどこも同じと受け入れるしかない。的中を増やせば問題はないのだが。(21・10・1)

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