紫外線を「美肌光」に変換する素材が開発されたという記事を読み、「光」についてあれこれ考えさせられた。先日の大雪の際、道路の氷雪を溶かしてくれたのは光だったし、かと思えば、夏日は度が過ぎれば歓迎すべからざる光である。紫外線も肌にダメージを与えるかと思えば、ウイルス対策に使われたりと、人間の都合によって悪玉にも善玉にもなる▼光があるから影があり、生物はそれぞれを自分の生存に有利なように利用している。身近な例だが、動物は夏日陰に憩い、冬は日向に暖を取る。植物だって、光にあたってばかりいるのは生存に適さなそうだ。昼と夜、光と影の繰り返し、それこそがこの世界の根本のリズムだろう▼紫外線といえば、その照射で目的物を硬めるUV硬化技術がある。光源もLEDが普及しつつあり、樹脂や重合開始剤も多様な開発が進む。用途も広がり、わが家でもジェルネイルにこの技術を使っている娘がいる▼そして光合成。植物が光のエネルギーを用いて、二酸化炭素と水から有機物と酸素を生み出す。これを人工的に行う人工光合成プロジェクトが進んでいるのはご承知の通り▼「神は言われた『光あれ。』」という旧約聖書も日本の神話も、光さまさま。そういえばまだ、今年は日の出を見ていないなあ。たまには早起きしてみようか。(22・1・12)

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