シャープは23日、同社が開発した可視光応答型光触媒材料が、島根大学の吉山裕規教授との共同試験で新型コロナウイルスの減少効果を実証したと発表した。同材料を塗布したガラス基板と塗布していないガラス基板に新型コロナウイルス液を滴下。発光ダイオード(LED)光を2時間照射したところ、塗布したガラス基板は塗布していないガラス基板に比べて同ウイルスが99・99%以上減少することを確認した。

 今回の成果について、吉山教授は「実使用環境での抗ウイルス効果も期待できる」とコメント。光触媒作用によって「たんぱく質の構造破壊がもたらされると考えられる」としたうえで、「変異株に対しても同様の効果を発揮すると思われる」としている。

 シャープは半導体デバイスやトナー開発で培った技術を生かし、酸化タングステンを用いた独自の光触媒材料を2015年に開発。光触媒スプレーの販売や施工サービス提供などを行っている。

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