雪の上を走り回る3頭のオオカミ-。日本ではオオカミは絶滅したといわれ、動物園でしか見ることはできない。その一つ、北海道旭川の旭山動物園に正月に家族で出掛けた。兄弟姉妹の3頭は序列があり、一番大きい末弟のオスがボスで、飼育員が投げるおやつの豚の骨を真っ先に確保する。目の前でバリバリと噛み砕く姿は圧巻だった▼オオカミ以外にも、雪をむさぼり食べるホッキョクグマ、雪原をのしのしと歩くアムールトラ、冬しか見られないキングペンギンの散歩など、極寒にもびくともしない動物たちの生き生きとした姿を目の当たりにすることができる▼余韻に浸りながら旭川駅で札幌行きの電車を待っていると事件が起きた。降雪のため電車がストップし、再開は3時間後という。何とか再開したが、電車内はすし詰め状態。さらに途中の岩見沢駅手前で分岐ポイントが故障し、2時間以上立ち往生。冬の北海道ならではの厳しい寒さより、足が棒になったことの方が強く印象づけられた▼今シーズンの日本列島は多くの雪に見舞われている。東京都心も先日、4年ぶりとなる10センチの積雪となり、多くの車が立ち往生したのは記憶に新しい。これも気候変動の影響なのか。大雪でもびくともしない線路、凍結しない道路など、インフラの進化に期待したい。(22・1・17)

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