大型連休が7日に明けた。2日間の平日を挟んで週末を過ごし、きょうからギアを入れ替えてとなるところだがどうも勝手が違う。今年はステイホームウイークと言い換えられ、平日は在宅で仕事、休日は遠出をせずに自宅に逼塞する毎日だった▼オンとオフの切り替えが難しい。狭い自宅に籠もっているとストレスが溜まる。四六時中家族が傍にいるので仕事に集中できない。上司や同僚、取引先とのコミュニケーションが不足する…。メディアのインタビューに答える人の多くはそんな困惑を口にする▼その一方、在宅勤務を肯定的に捉える人も少なくない。例えば、もっと進めて出社を月に1~2回にすればいいという声。自宅は会社から遠くても良いから通勤苦から解放される。休日はもちろん、平日も通勤時間の分だけ自分の時間が増える▼月1回は無理にしても、職種によっては出社は週に1~2回も現実味を帯びてくるだろう。すでに、5月の在宅勤務の形態を見直す企業もある。逆に本社を郊外に移転する選択肢もあり得る▼働く場所という問題一つだけで多様なアイデアが出てくる。ポストコロナの社会構造は、あらゆる分野で劇的に変化するのは間違いない。混乱はなおしばらく続く。それが収まった先をどうイメージするのか、組織のリーダーに構想力が問われる。(20・5・11)

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