日本化学会の春季年会が3月22日から、東京理科大学の野田キャンパス(千葉県野田市)で開かれる。今回は100回目の記念すべき年会。本紙20日付9面に、日本化学会の川合眞紀会長と井手本康実行委員長による春季年会についての対談が掲載されている▼今回の大きな目玉は、川合会長が日本が世界を牽引する分野と語る「超分子化学」。超分子化学アジア会議という国際シンポジウムが予定されている。今後の活躍が期待される日中韓の若手研究者が登壇するという。機関誌『化学と工業』の論説委員会が企画する論説フォーラム「徹底討論」も白熱しそうだ。テーマは昨年に続き「大学革命」▼そして対談の話題は、会員企業からの参加者をどれだけ増やせるか、に移っていく。企業会員の心を打つことはなにか?について川合会長は「意外と基礎分野がキーワードになるかもしれない。心を響かせるヒントはアカデミックプログラムにあるかも」と語る。井手本委員長は「最新の情報をアカデミアも企業も発表すること」と明快だ▼「化学は己の社会(狭い領域)だけで完結するという考え方は成り立たない。化学反応はまさに実際に使われるモノを作るという実学につながっている。日本化学会はだからアカデミアと産業界の会員で構成されている」という会長の発言は重い。(20・1・22)

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