新型コロナウイルス禍が化学業界のデジタル化を加速させている。生産設備の異常予測や不良品検知精度の向上、調達管理の効率化など、IoT(モノのインターネット)やビッグデータの活用が目立つが、これからは経営や研究開発面のデジタル化も一気に水準が上がる。経営判断を支援するERP(統合業務パッケージソフトウェア)は社内の情報システムでデータを処理するオンプレ版から、ネットワークを使って化学物質の地域別管理なども可能なクラウド版への移行が着々と進んでいる。クラウドとビッグデータの活用にともなってセキュリティ対策も高度化しており、いまやリアルタイムでストリーミングデータを取り込んで異常診断を行うなど、新たな世代を迎えている。研究開発面においてはマテリアルズ・インフォマティクス(MI)がどんどん使われるようになった。これは「新型コロナウイルス対策で実験ができなくなったことも要因」(住友ベークライト)にある。次の段階は新たな目的物質の合成作業を自動化することだ。これらデジタル化に共通するのは機械学習というAI(人工知能)ツールだ。続きは本紙で

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