新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため、地方への移住を考えている人が増えているそうだ。在宅勤務でずっと家にいるなら、首都圏にある狭い我が家より広々として物価も安い地方に居を構えた方がいい。自然があり、過度の人混みが避けられ、自由な雰囲気で仕事ができれば、さぞはかどるに違いない▼都会にある会社の方が一般的に給料が高いことを考えれば、地方に住みながら同じ給料がもらえるのは、この間普及したリモートワークの賜だろう。そう思っていたら、薬剤師は地方の方が給料が高いと聞いた。人不足が深刻な業界だが、都会だと薬剤師の数が非常に多く、賃金も低い傾向にあるという。需要と供給の関係だ▼一方、本当に人手が足りない地方では、高収入を提示しなければ薬剤師が集まらない。田舎暮らしを希望する人、親の世話で地元に帰らなければいけない人にとっては、高収入を得ながらの一挙両得だといえる。ただ、忙しさは覚悟しておいた方がいいとも聞く▼遠隔医療に貢献するオンライン診療は、コロナ禍への対策として国も普及措置をとっている。病院での対面診断は感染リスクが高く、とくに高齢者は敬遠しがちだ。僻地医療など遠方に住む人の支えにもなる。都会も地方も関係なく、平等な診療が受けられるよう智恵の出しどころだ。(20・11・19)

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