厚生労働省は、各都道府県に対し、過去の新型コロナウイルス感染症の1日の最大検査数などを基準にその1割程度を上回る検査体制の構築を求める。PCR検査、抗原検査キットそれぞれで必要量を想定。通常検査や高齢者施設への集中検査の過去1日当たりの実績最大値を基準に都などは確保量を計算する。また、先月末に特例承認した英グラクソ・スミスクライン(GSK)の新型コロナ治療薬「ソトロビマブ」の投与ステーション構築も視野に入れていく。

 1日付の事務連絡で都道府県に通知した。通常の検査については、感染の急拡大などで十分に実施できなかったケースについても検討。本来確保すべきだった量を算出し、実績最大値より上回る場合など、必要があればそちらも考慮して必要量を決める。

 同時流行が懸念されるインフルエンザについては、過去5年間の流行期の検査実績を参考に、その1割増程度の検査需要を想定することも求める。インフルエンザと新型コロナを同時に検査できる抗原簡易キットの活用も検討する。

 都道府県で検査体制を点検した後、さらなる整備が必要な場合にはその具体策を策定したうえで、月内に対策を終えるように要請。期限内に対策できない場合は、完了の見込み時期を報告するよう求めた。

 一方、医療提供体制の拡充も要望した。各都道府県の「病床・宿泊療養施設確保計画」を「保健・医療提供体制確保計画」に変更。従来計画からの改善点として(1)陽性判明時から速やかに健康観察・診療を漏れなく開始する仕組みの拡大(2)中和抗体薬の投与体制整備などによる早期の適切な治療実施(3)医療機関と締結する書面の条件明確化(4)臨時の医療施設・入院待機施設などを含めた体制整備(5)医療機関などからの派遣可能人員の事前登録や派遣調整体制の整備-の5つを挙げた。

 これを踏まえ、10月中をめどに今後の保健・医療提供体制の構築方針を作成し、遅くとも11月末までに計画として取りまとめるようにする。政府も、今夏の病床確保などの経験を共有する機会を提供するなどサポート体制の充実を図る。

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