厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症治療薬実用化支援事業の対象として小野薬品工業、グラクソ・スミスクライン(GSK)、中外製薬、ファイザーの4社が開発中の7件を選んだ。1件当たり最大20億円を補助し、国内での早期実用化を後押しする。各品目の具体的な支援額は、「精査中」(結核感染症課)で、近く正式決定する。

 世界各国・地域で開発が進むコロナ薬の日本での治験を通じ、国内での早期供給・実用化を促すのが事業の狙い。一定の段階以降にある候補薬を持つ企業などを対象に、3月に公募していた。2020年度第3次補正予算に総事業費として70億円を計上している。今回、10件の応募があり、7件を選定した。

 小野は、新型コロナウイルス感染症の転用を目指している同社創製の慢性膵炎治療薬「フオイパン」が対象。昨秋から第3相臨床試験(P3)に入っている。GSKは、抗体医薬「VIR-7831」など2件に関して支援を受ける。

 中外は、スイス・ロシュを通じてそれぞれ導入した抗体カクテル療法と経口薬「AT-527」の2件だ。抗体カクテル療法の場合、米国で緊急使用許可(EUA)を取得しており、3月に国内P1が始まっている。ファイザーは経口薬として開発中の「PF-07321332」など2件についてだ。

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