この20年でGDPが3倍近く増えたシンガポール。中心部は高層ビルが建ち並び、行ったことがなくてもテレビや映画を通じ、きれいな街並みを目にしたことがある人は少なくないだろう▼厳しい法律の数々でも有名だ。ポイ捨てされ街を汚す恐れがあるチューインガムは販売禁止で、持ち込んだだけで罰金刑。麻薬所持は、自分の物でないことを証明できなければ絞首刑だ。麻薬なんて所持するわけないでしょと思われる方が多いだろうが、空港で知らない間に自分の荷物に紛れこまされ、一時的に運び屋に仕立てられるケースもなくはない。鞭打ち刑も存在する。壁などに落書きすると、失神するほどの鞭打ちが待っている▼たばこのポイ捨ては罰金300ドル(約2万円)。ただ街中のバス停に必ずといっていいほど灰皿があるため、愛煙者にとっては日本よりよほど吸いやすい環境だ。ゴミのポイ捨ても罰金だが、これはかなり怪しい。きれいな街のイメージが強いが、実際はかなりゴミが散らかっていて、あの黒い虫をよく見かける。駐在時代、ペット以外の巨大なネズミを初めて見たのもシンガポール▼地下鉄に乗ると、ドリアン持ち込み禁止マークが貼ってある。地下鉄でわざわざドリアンを食べる人はいないと思われるが、あえて禁止をうたうところがシンガポールらしい(20・12・14)

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